浦志万太郎’s 読書 blog

読んだ本の備忘録

川上和人『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

言わずと知れた鳥類学の名著。

妹に薦められたという友人に借りて、一気読み、自ら改めて購入してしまった。

良い本はやはり手元に置いておきたいものである。

ゆえにこちらも読んで、やはり裏切らない面白さ。

 

 

ジーン・アウル『エイラ 地上の旅人』

全6部16巻の大作。旧石器時代のはなし。

日本ではもともと児童向けに『大地の子エイラ』として出版されていたが

原作は大人向けの小説だったということで、改めて大人向けの物語として刊行されたものようだ。

ネアンデルタール人たちに育てられたホモ・サピエンスの女の子エイラが

氷河期の広大なユーラシア大陸で様々な冒険や困難を乗り越え

自立していく姿を描く。

 

なにせ長大な物語なので第1部だけでも十分楽しめる。

第2部以降は、狩猟の仕方や薬草の作り方など

サバイバル的な部分で少し説明が冗長になるところもあるので

読むのが遅くなったが、面白かった。

 

 

ひろゆき『無敵の独学術』

よく耳にする、日本で一、二を争うインフルエンサーひろゆき氏とはどんな人物なんだろうと、常々興味を持っていたが、YouTubeやテレビなどを見ない私には、遠い存在だった。

書店で何気なしに手を取ったのが本書。読みやすかったので一気読みした。独学に関する本はたくさん出ているが、本書はそれらとはまた一味違ったテイストだと感じた。

一言でいえば、カッコつけずにぶっちゃけてるところ。そこが好感。

賛否両論の人物評価があるような氏であるが、本書を一読するに、「この人は人間が好きなんだなぁ」と思ってしまった。

 

古市憲寿『絶対に挫折しない日本史』

日本史が苦手な私にとって、たしかにこれは挫折しないわ、と思わせた一書。

まずは、ざっくりと日本史の全体像を構造的に理解したいよね、

という人には気軽に手に取って読み進められるので、お薦め。

慎重な表現にならざるを得ない専門家より、門外漢の人のほうが、素人にとっては分かりやすく書いてくれることは往々にしてあるが(サイエンスライターなんかもそうだろう)、本書もその例。

 

アルボムッレ・スマナサーラ『怒らないこと』

ついつい怒ってしまうことがある。昔よりはずいぶん減ったが。

そして、若い頃より、怒った後の後悔も感じる。

怒れば怒るほど、それを表現すればするほど、

「あぁ、だんだん怒りの感情にブレーキが効かない、そこまでではなかったのに…。」

と、負のスパイラルに落ちってしまっている最中を実感してしまう。

はっきり言って、怒ることは、自分の心身にとって有害。

周りを変えるより、自分を変えるに限る。

 

本書は仏教の立場から、そのことをわかりやすい言葉で説いている。

薄い本なので、「もうこれ以上怒りたくない」と思っている人は、

読んでみてはどうだろう。

もちろん、本書には納得のいくことと、いまいち腑に落ちないことが混在していると思う。

それは自分の現状として、そうなのだ。

人は腑に落ちないことを重視して、全体に対して烙印を押す傾向があるが、

腑に落ちる、学びがあることに焦点を絞ったほうが自分にとってプラスである(これは人間関係についてもいえるかも)。

腑に落ちないこととも年月を経て再読すれば、そういうことだったのかと思うこともあるかもしれない(し、ないかもしれないが、それは本の価値ではない)。

皆が起こらない世界が訪れれば、もっと平和になるんだろうなぁ、と思いつつ、

怒る人がいるから軌道修正されている部分があるんだろうなぁと思う自分は、

まだまだなのかもしれない。

 

『妖の掟』

友人から何度となく誉田氏の著作を薦められていたが、どれから読めば良いか迷いながら幾年月。

娘と言った本屋で、娘が「これ面白そう。読んだら?」と手に取って見せられたのが標題の本。

たとえイマイチでも「娘から薦められた」というストーリーがあれば良いかと購入。

が、イマイチかもと言ってごめんなさい!

めっちゃくちゃ私好み。闇神という吸血鬼コンビと頼りない情報屋のトリオの物語。ヤクザvs吸血鬼vs警察の三つ巴。一気に読破してしまった。

 

解説を読むと、なんと前作が17年前に出てたという。

単発物を選んだつもりが、シリーズものだったのか。

前作は『妖の華』と言うタイトルで、今回の話の3年後が描かれている。

 

 

解説者の話によれば、『妖の華』→『妖の掟』→『妖の華』(再読)の順に読むのがオススメらしい。

(そういうことを『妖の掟』の読後解説で書かれても、後の祭りだが)

ちなみに、三作目も『妖の掟』文庫本刊行と同時発刊。

いかんなぁ、シリーズものにハマるのは・・・。

★★★

その後、『妖の華』を読み始めてるが、やはり、私は時系列に沿って『掟』→『華』の順に読んだ方が良いと思っている、今のところは。

★★★

『妖の華』を読了したが、解説者の意見と違い、時系列に沿って読んだ方が純粋にストーリーが楽しめると思った。

藤沢周平『竹光始末』『たそがれ清兵衛』『用心棒日月抄』

時代小説といえば藤沢周平が、私は推しだ。

いろいろと面白いのだが、まずは試しに読んでみるなら、これ。

短編集なので気楽に読める。

藤沢周平の時代小説は、一介の武士や庶民など主人公に描かれることが多いが、笑いと哀愁、喜劇と悲劇の絶妙なバランスが、なんとも良い。

そのあと、もしよかったら、映画化にもなったこれ。

 

でも、一番お薦めしたのは「用心棒」シリーズ

 

用心棒青江又八郎と、それを取り巻く個性豊かな人々。これは何度も読み返すぐらいハマりました。