浦志万太郎’s 読書 blog

読んだ本の備忘録

長谷川卓『嶽神伝 血路』

誰だかが本シリーズを薦めていたので、買ってみた。誰だっけ? 本書はその第1巻。 ノンストップ時代アクションシリーズ・エピソード1と謳うだけあって、一気読み。 戦乱において、依頼主の頼みに応じて、人を逃がす「落とし」の専門集団「七つ家」。 謎め…

坂本龍一・中沢新一『新版縄文聖地巡礼』

前に購読しようと思って買わないでいるままに絶版になって後悔一入だったのが、新版となって登場。今度こそは迷わず購入。いつまでもいると思うな、親と本だ。 予想以上に面白かった。 坂本龍一氏は亡くなってしまったが、こうした本を読んでいると、まだま…

沢木耕太郎『キャパの十字架』

スペイン戦争の「崩れ落ちる兵士」で一躍著名となった戦場カメラマンのロバート・キャパに関する衝撃のルポタージュだった。 著者による執念の調査により、世界中の誰もが到達し得なかった「真実」にたどり着く。 この本を読んで興奮しない人はいないのでは…

牟田都子『文にあたる』

たぶん、プロの校正者という職業があるのを初めて知った。いや、頭の中では当然知ってたと思うが、その存在をまともに考えたことはなかった。 本書は、校正者の苦悩と矜持が短編エッセイのように軽やかに描かれており、本好きとしては、予想以上に楽しんで読…

ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』

評判がいいというので購入。 ストーナー 作者:ジョン・ウィリアムズ 作品社 Amazon 特に事件は起こらず淡々と文学研究者の人生を丁寧に描いているというような評判に興味をそそられ。 しかし、読んでみると、私には事件の連続のようにハラハラ読めた。という…

新田次郎『孤高の人』

学生時代と違って本を読む時間を作るのは大変。 こちら、漫画化もされた名作。 富裕層に独占されていた昭和初期の登山界に、それとは真逆の加藤文太郎の青春長編。 実在の人だ。 本屋でたまたまページをめくり、「高取山(神戸市)」という懐かしい名前がい…

沢木耕太郎『深夜特急』

言わずと知れた名作。私はこの本をアジア海外赴任の時に持って行って、貪るように読んだ。 深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】 作者:沢木耕太郎 新潮社 Amazon 日本語に飢えてたというのもあるが、 周りに日本人のいない中での仕事だったので、…

川上和人『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

言わずと知れた鳥類学の名著。 妹に薦められたという友人に借りて、一気読み、自ら改めて購入してしまった。 良い本はやはり手元に置いておきたいものである。 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫) 作者:川上和人 新潮社 Amazon ゆえに…

ジーン・アウル『エイラ 地上の旅人』

全6部16巻の大作。旧石器時代のはなし。 日本ではもともと児童向けに『大地の子エイラ』として出版されていたが 原作は大人向けの小説だったということで、改めて大人向けの物語として刊行されたものようだ。 ネアンデルタール人たちに育てられたホモ・サピ…

ひろゆき『無敵の独学術』

よく耳にする、日本で一、二を争うインフルエンサーのひろゆき氏とはどんな人物なんだろうと、常々興味を持っていたが、YouTubeやテレビなどを見ない私には、遠い存在だった。 書店で何気なしに手を取ったのが本書。読みやすかったので一気読みした。独学に…

古市憲寿『絶対に挫折しない日本史』

日本史が苦手な私にとって、たしかにこれは挫折しないわ、と思わせた一書。 まずは、ざっくりと日本史の全体像を構造的に理解したいよね、 という人には気軽に手に取って読み進められるので、お薦め。 慎重な表現にならざるを得ない専門家より、門外漢の人の…

アルボムッレ・スマナサーラ『怒らないこと』

ついつい怒ってしまうことがある。昔よりはずいぶん減ったが。 そして、若い頃より、怒った後の後悔も感じる。 怒れば怒るほど、それを表現すればするほど、 「あぁ、だんだん怒りの感情にブレーキが効かない、そこまでではなかったのに…。」 と、負のスパイ…

『妖の掟』

友人から何度となく誉田氏の著作を薦められていたが、どれから読めば良いか迷いながら幾年月。 娘と言った本屋で、娘が「これ面白そう。読んだら?」と手に取って見せられたのが標題の本。 たとえイマイチでも「娘から薦められた」というストーリーがあれば…

藤沢周平『竹光始末』『たそがれ清兵衛』『用心棒日月抄』

時代小説といえば藤沢周平が、私は推しだ。 いろいろと面白いのだが、まずは試しに読んでみるなら、これ。 短編集なので気楽に読める。 藤沢周平の時代小説は、一介の武士や庶民など主人公に描かれることが多いが、笑いと哀愁、喜劇と悲劇の絶妙なバランスが…

中村哲『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』

医師・中村哲さんが亡くなって3年が過ぎた。 昔から「この人は異国の地でどうしてここまでやるのだろう」と不思議に思えてならなかった。 私自身の人生を振り返って、どうだろう。 そこまで、人のために尽くすことをしてきただろうか。 答えは、まったく否。…

和田竜『村上海賊の娘』

有名な作品であるが、ぜひ映画化も願いたい痛快時代小説! 古文書にはただ一言「姫」がいることだけが書かれているところから、 作者の想像の翼が羽ばたきまくる。 そういう点ではアーサー王伝説みたいなものかもだが、想像力とロマンをかき立てさせられる。…

星野道夫『旅をする木』

明けましておめでとうございます。 本書は、とにかくとても素敵な本。 自然を愛する人、都会の暮らしにつかれた人、全てに捧げたい本。 疲れた時に、心を澄み渡る空の下に連れ出してくれる、そんな本。 旅をする木 (文春文庫) 作者:星野 道夫 文藝春秋 Amazon

ルビー・ウォリントン『飲まない生き方 ソバーキュリアス』

煙草やアルコール、賭け事など、中毒性のある人はご用心。 煙草は、かつてとは違って社会的にもだいぶ肩身が狭い状況に追いやられている。 「害悪」ということがもはや世の中の共通認識だろう。 ところがお酒は、いまだに社会的地位を保っている。ほどほどに…

萩原博子『買うと一生バカを見る投資信託』

なんとなく投資を考えている人は、薄い本ですし一読してみてもいいかもしれません。 最近は政府がやけにイデコやニーサを薦めてくるし、そうしたマニュアル本も書店で多く見かける。はたして投資をすべきかどうか。 生命保険に入ったときも、外資系の投資を…

本郷和人『歴史学者という病』(講談社新書)

「歴史学」について、フワフワとしたイメージしかないものの、興味がある人にお薦めである。歴史学の初学者が読んでも勇気づけられる一書だと思う。 歴史学者という病 (講談社現代新書) 作者:本郷和人 講談社 Amazon 歴史学者というのは、どんな人たちだろう…

はじめまして

これまでの人生で、いろいろと本を乱読してきましたが、記録というものを残しておこうと思い、ブログを始めてみることにしました。果たして続くかどうか、こうした行動が自分に合っているのかどうか、試してみたいと思います。