浦志万太郎’s 読書 blog

読んだ本の備忘録

2023-01-01から1年間の記事一覧

沢木耕太郎『深夜特急』

言わずと知れた名作。私はこの本をアジア海外赴任の時に持って行って、貪るように読んだ。 深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】 作者:沢木耕太郎 新潮社 Amazon 日本語に飢えてたというのもあるが、 周りに日本人のいない中での仕事だったので、…

川上和人『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

言わずと知れた鳥類学の名著。 妹に薦められたという友人に借りて、一気読み、自ら改めて購入してしまった。 良い本はやはり手元に置いておきたいものである。 鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。(新潮文庫) 作者:川上和人 新潮社 Amazon ゆえに…

ジーン・アウル『エイラ 地上の旅人』

全6部16巻の大作。旧石器時代のはなし。 日本ではもともと児童向けに『大地の子エイラ』として出版されていたが 原作は大人向けの小説だったということで、改めて大人向けの物語として刊行されたものようだ。 ネアンデルタール人たちに育てられたホモ・サピ…

ひろゆき『無敵の独学術』

よく耳にする、日本で一、二を争うインフルエンサーのひろゆき氏とはどんな人物なんだろうと、常々興味を持っていたが、YouTubeやテレビなどを見ない私には、遠い存在だった。 書店で何気なしに手を取ったのが本書。読みやすかったので一気読みした。独学に…

古市憲寿『絶対に挫折しない日本史』

日本史が苦手な私にとって、たしかにこれは挫折しないわ、と思わせた一書。 まずは、ざっくりと日本史の全体像を構造的に理解したいよね、 という人には気軽に手に取って読み進められるので、お薦め。 慎重な表現にならざるを得ない専門家より、門外漢の人の…

アルボムッレ・スマナサーラ『怒らないこと』

ついつい怒ってしまうことがある。昔よりはずいぶん減ったが。 そして、若い頃より、怒った後の後悔も感じる。 怒れば怒るほど、それを表現すればするほど、 「あぁ、だんだん怒りの感情にブレーキが効かない、そこまでではなかったのに…。」 と、負のスパイ…

『妖の掟』

友人から何度となく誉田氏の著作を薦められていたが、どれから読めば良いか迷いながら幾年月。 娘と言った本屋で、娘が「これ面白そう。読んだら?」と手に取って見せられたのが標題の本。 たとえイマイチでも「娘から薦められた」というストーリーがあれば…

藤沢周平『竹光始末』『たそがれ清兵衛』『用心棒日月抄』

時代小説といえば藤沢周平が、私は推しだ。 いろいろと面白いのだが、まずは試しに読んでみるなら、これ。 短編集なので気楽に読める。 藤沢周平の時代小説は、一介の武士や庶民など主人公に描かれることが多いが、笑いと哀愁、喜劇と悲劇の絶妙なバランスが…

中村哲『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』

医師・中村哲さんが亡くなって3年が過ぎた。 昔から「この人は異国の地でどうしてここまでやるのだろう」と不思議に思えてならなかった。 私自身の人生を振り返って、どうだろう。 そこまで、人のために尽くすことをしてきただろうか。 答えは、まったく否。…

和田竜『村上海賊の娘』

有名な作品であるが、ぜひ映画化も願いたい痛快時代小説! 古文書にはただ一言「姫」がいることだけが書かれているところから、 作者の想像の翼が羽ばたきまくる。 そういう点ではアーサー王伝説みたいなものかもだが、想像力とロマンをかき立てさせられる。…

星野道夫『旅をする木』

明けましておめでとうございます。 本書は、とにかくとても素敵な本。 自然を愛する人、都会の暮らしにつかれた人、全てに捧げたい本。 疲れた時に、心を澄み渡る空の下に連れ出してくれる、そんな本。 旅をする木 (文春文庫) 作者:星野 道夫 文藝春秋 Amazon